定期保険の税務
保険期間をとおして解約返戻金がない定期保険の場合、保険期間が長期であってもタイプ1、2の取り扱いに従って差し支えないものと考えられます。
定期保険| 契約形態 | 保険料の税務 | ||||
| タイプ | 契約者 | 被保険者 | 死亡保険金受取人 | 定期保険分 | 特約(疾病・災害関係)分 |
| 1 | 法人 | 役員・従業員 | 法人 | 損金算入 | 損金算入 |
| 2 | 法人 | 役員・従業員 | 役員・従業員の遺族 | 損金算入(福利厚生費)※ | 損金算入(福利厚生費)※ |
※役員または部課長、その他特定の従業員のみを被保険者としている場合には、当該役員・従業員の給与となる。
保険期間が長期の定期保険
保険期間が長期の定期保険とは(1)(2)両方に該当する定期保険をいいます。
(1)保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳超
(2)契約年齢+保険期間(年数)×2>105
| 契約形態 | 保険料の税務 | ||||
| タイプ | 契約者 | 被保険者 | 死亡保険金受取人 | 定期保険分 | 特約(疾病・災害関係)分 |
| 3 | 法人 | 役員・従業員 | 法人 | ※1 | 損金算入 |
| 4 | 法人 | 役員・従業員※ | 役員・従業員の遺族 | ※2 | 損金算入 (福利厚生費)※ |
| ※1 | 保険期間の 最初の6/10の期間 | 1/2損金算入 1/2資産計上(前払保険料) |
| 保険期間の 残りの4/10の期間 | 保険料の全額を損金算入。さらにそれまでに資産計上した前払 保険料を残りの期間の経過に応じて均等に取り崩して損金算入 |
| ※2 | 保険期間の 最初の6/10の期間※ | 1/2損金算入(福利厚生費) 1/2資産計上(前払保険料) |
| 保険期間の 残りの4/10の期間※ | 保険料の全額を損金算入(福利厚生費)。さらにそれまでに資 産計上した前払保険料を残りの期間の経過に応じて均等に取 り崩して損金算入(福利厚生費) |
※役員または部課長、その他特定の従業員のみを被保険者としている場合には、保険料の支払いの都度、
その全額が当該役員・従業員の給与となる。(保険期間を通して保険料の税務は同一です)
定期保険の経理処理
保険料支払い時の仕訳例
契約年齢 50歳
保険期間 70歳満了
保険料払込期間 70歳まで
年払保険料200万円を支払った場合
内訳
定期保険の保険料 1,800,000円
特約(疾病・災害関係)の保険料 200,000円
上記保険料は参考値であり、実際の保険料とは異なります。
- タイプ1 保険金受取人を法人としたケース
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 1,800,000円 (費用の発生) 特約保険料 200,000円 (費用の発生) | 現金または預金 2,000,000円 (資産の減少) | ||||
- タイプ2 保険金受取人を役員・従業員の遺族としたケース
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 福利厚生費※ 2,000,000円 (費用の発生) | 現金または預金 2,000,000円 (資産の減少) | ||||
※役員または部課長、その他特定の従業員のみを被保険者としている場合には、当該役員・従業員の給与となる。
契約年齢 50歳
保険期間 80歳満了
保険料払込期間 80歳まで
年払保険料240万円を支払った場合
内訳
定期保険の保険料 2,000,000円
特約(疾病・災害関係)の保険料 400,000円
上記保険料は参考値であり、実際の保険料とは異なります。
満了時の年齢 80歳>70歳 50歳+30年×2=110>105 → 保険期間が長期の定期保険に該当
- タイプ3 保険金受取人を法人としたケース
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 1,000,000円 (費用の発生) ※A 前払保険料 1,000,000円 (資産の増加) ※B 特約保険料 400,000円 (費用の発生) | 現金または預金 2,400,000円 (資産の減少) | ||||
※A 定期保険の保険料×1/2 (損金算入)
※B 定期保険の保険料×1/2 (資産計上)
保険期間の残りの4/10の期間(19年目以降の12年間)
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 3,500,000円 (費用の発生) ※C 特約保険料 400,000円 (費用の発生) | 現金または預金 2,400,000円 (資産の減少) 前払保険料 1,500,000円 (資産の減少) | ||||
※C 既に資産計上してある額(前払保険料総額)
1,000,000円×18年=18,000,000円(Ⅰ)
残余期間で均等に取り崩す額
(Ⅰ)÷12年=1,500,000円(Ⅱ)
定期保険の保険料+取り崩し額
2,000,000円+(Ⅱ)=3,500,000円 (損金算入)
- タイプ4 保険金受取人を役員・従業員の遺族としたケース
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 福利厚生費 1,000,000円 (費用の発生) ※D 前払保険料 1,000,000円 (資産の増加) ※E 特約保険料 400,000円 (費用の発生) | 現金または預金 2,400,000円 (資産の減少) | ||||
※D 定期保険の保険料×1/2 (損金算入)
※E 定期保険の保険料×1/2 (資産計上)
保険期間の残りの4/10の期間(19年目以降の12年間)
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 福利厚生費 3,500,000円 (費用の発生) ※F 特約保険料 400,000円 (費用の発生) | 現金または預金 2,400,000円 (資産の減少) 前払保険料 1,500,000円 (資産の減少) | ||||
※F 既に資産計上してある額(前払保険料総額)
1,000,000円×18年=18,000,000円(Ⅰ)
残余期間で均等に取り崩す額
(Ⅰ)÷12年=1,500,000円(Ⅱ)
定期保険の保険料+取り崩し額
2,000,000円+(Ⅱ)=3,500,000円 (損金算入)
※役員または部課長、その他特定の従業員のみを被保険者としている場合には、保険料の支払いの都度、
その全額が当該役員・従業員の給与となる。(保険期間を通して保険料の税務は同一です)
保険期間が長期の定期保険で保険料払込期間が保険期間の6/10より短い場合
契約年齢 40歳 契約者・・・・・・・・・・・・・法人
保険期間 80歳満了 被保険者・・・・・・・・・・・役員・従業員
保険料払込期間 60歳まで 死亡保険金受取人・・・法人
年払保険料160万円を支払った場合
上記保険料は参考値であり、実際の保険料とは異なります。
保険料払込期間中(20年間)
当期分保険料相当額=1,600,000円×20年(払い込み期間)/40年(保険期間)=800,000円
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 400,000円 (費用の発生) ※A 前払保険料ア 400,000円 (資産の増加) ※B 前払保険料イ 800,000円 (資産の増加) ※C | 現金または預金 1,600,000円※ (資産の減少) | ||||
※A 当期分保険料相当額×1/2 (損金算入) ※年払保険料
※B 当期分保険料相当額×1/2 (資産計上)
※C 年払保険料-当期分保険料相当額 (資産計上)
保険料払込期間満了から保険期間の6/10経過まで(21年目以降の4年間)
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 400,000円 (費用の発生) ※D 前払保険料ア 400,000円 (資産の増加) ※E |
前払保険料イ 800,000円※ (資産の減少) | ||||
※D 当期分保険料相当額×1/2 (損金算入) ※当期分保険料相当額
※E 当期分保険料相当額×1/2 (資産計上)
保険期間の残りの4/10の期間(25年目以降の16年間)
| 借 方 | 貸 方 | ||||
定期保険料 1,400,000円 (費用の発生) ※F | 前払保険料ア 600,000円※1 (資産の減少) 前払保険料イ 800,000円※2 (資産の減少) | ||||
※1 残余保険期間で均等に取り崩す額
※2 当期分保険料相当額
※F a.前払保険料アから取り崩す額
前払保険料アとして既に資産計上してある額=400,000円×24年=9,600,000円(Ⅰ)
残余期間で均等に取り崩す額=(Ⅰ)÷16年=600,000円
b.資産計上した前払保険料イから当期分保険料相当額(800,000円)を取り崩す。
a+b=1,400,000円 (損金算入)
保険期間が長期の定期保険で保険料払込期間が保険期間の6/10より長い場合
契約年齢 30歳 契約者・・・・・・・・・・・・・法人
保険期間 80歳満了 被保険者・・・・・・・・・・・役員・従業員
保険料払込期間 65歳まで 死亡保険金受取人・・・法人
年払保険料60万円を支払った場合
上記保険料は参考値であり、実際の保険料とは異なります。
保険期間の最初の6/10の期間(30年間)
当期分保険料相当額=600,000円×35年(払い込み期間)/50年(保険期間)=420,000円
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 210,000円 (費用の発生) ※A 前払保険料ア 210,000円 (資産の増加) ※B 前払保険料イ 180,000円 (資産の増加) ※C | 現金または預金 600,000円※ (資産の減少) | ||||
※A 当期分保険料相当額×1/2 (損金算入) ※年払保険料
※B 当期分保険料相当額×1/2 (資産計上)
※C 年払保険料-当期分保険料相当額 (資産計上)
保険期間の最初の6/10経過から保険料払込期間満了まで(31年目以降の5年間)
| 借 方 | 貸 方 | ||||
| 定期保険料 735,000円 (費用の発生) ※D 前払保険料イ 180,000円 (資産の増加) ※E |
現金または預金 600,000円※1 (資産の減少) 前払保険料ア 315,000円※2 (資産の減少) | ||||
※1 年払保険料
※2 残余保険期間で均等に取り崩す額
※D a.当期分保険料相当額の全額=420,000円 (損金算入)
b.前払保険料アから取り崩す額
前払保険料アとして既に資産計上してある額=210,000円×30年=6,300,000円(Ⅰ)
残余期間で均等に取り崩す額=(Ⅰ)÷20年=315,000円
a+b=735,000円 (損金算入)
※E 年払保険料-当期分保険料=600,000円-420,000円=180,000円 (資産計上)
保険料払込期間満了以降の期間(36年目以降の15年間)
| 借 方 | 貸 方 | ||||
定期保険料 735,000円 (費用の発生) ※F | 前払保険料ア 315,000円※1 (資産の減少) 前払保険料イ 420,000円※2 (資産の減少) | ||||
※1 残余保険期間で均等に取り崩す額
※2 当期分保険料相当額
※F a.上記と同様に、資産計上した前払保険料ア累計額を取り崩します。=315,000円
b.資産計上した前払保険料イから当期分保険料相当額(420,000円)を取り崩す。
a+b=735,000円 (損金算入)